獣☆ぷろじぇくと!

人外+女の子のイラスト、漫画が多め。【おそ松さん・電凹・サンレッド・まりんとメラン】等

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ゾンビサバイバル(3日目)

診断メーカー「ゾンビサバイバル! あなたは何日生き残れるか!?」のロールプレイ小説です。
最初に診断結果、その下に小説が出てくる形式になってます。


今日のソフィア:【戦闘】廃棄されたコンビニを探索、
収穫はなく出ようとするがなぜか外が暗い・・・? 
いや違う、窓にべったりとゾンビたちが密着しているのだ! 
9のダメージ! 食糧:-2
3日目 HP:91 食料:94 持ち物:なし


小説は↓から。


(三日目)

 コンビニという名前が名詞として使えるようになったのは何時の頃からか。
台湾では7-11やローソンが世界一の密度で屋台の隙間から顔を覗かせ、ハワイではABCストアがヤシの木と同じだけ並び、アメリカではガソリンスタンドと共にどこにでも存在していた。ヨーロッパではまだまだ数が少ないものの、最近ではバリやタイ、トルコといった中近東や東南アジアにも広がりを見せている。
その中でも特筆すべきは日本であろう。
1970年前後に日本発のコンビニが出来てからというもの、恐るべき速度で拡大し続け、野良猫やカラスよりもコンビニと遭遇する率の方が遥かに高くなった。
 真四角に切り分けられた、キャンディのようなコンビニの看板が、大通りに沿って等間隔に並べられている。
かつては人通りの多い繁華街であったのだろう。
カフェやパブもいくつかあったが、それらを合わせたよりも尚多い派手な看板が、訪れる筈も無い客に向けて自己主張していた。
ソフィアは幾分か軽くなったバックバックをそっと撫でた。
(そろそろ手持ちの食料が乏しくなってきたわね……)
長く歩き通した足が悲鳴をあげたが、聞こえない振りをする。
店ならばどこでも良いか、と目に付いたコンビニへ足を向けた。
電気が通っていない為、開いたままになっているガラス戸は、外の日差しを受けて鈍く輝いている。
明かりは無くとも、全面ガラス張りのお陰で中は十分に明るかった。
思ったより破損が少ない店内を眺めて、中へ踏み込むよりも先に、足元にあった石を店内に投げ入れる。
硬質な音を聞いてからたっぷり十秒ほど待ち、ソフィアはコンビニ店内に身体を滑り込ませた。
絨毯のように積もった砂埃は、長らく無人であった事を伺わせる。
嬉しくは無いが、ワイヤートラップが無いのが分かるだけでも有り難い。
 かつては棚にぎっしりと商品が並び、明るい蛍光灯に照らされて、揚げ物やコーヒーの匂いが充満していたのだろう。
目を閉じなくとも、ソフィアにはそれがありありと見えるようだった。
レジ横に積み上げられた、瑞々しいバナナやリンゴ。
棚には温くなったサンドウィッチが並び、中央の台ではコーヒーポットが湯気を立てている。その横に鎮座しているホットショーケースには、たっぷりと揚げたてのドーナツが詰まっていた。
 しかし現実は、その残り香すら嗅げやしない、がらんとした空間が広がるだけだ。
見渡したカウンターには、空っぽのビニールボックスが転がっていた。ソフィアは警戒心も忘れて、思わず手を伸ばす。
 これの中には、かつてグミキャンディが入っていたのだろう。
自然界では毒物扱いされかねない程カラフルな色をした、合成着色料たっぷりの、熊や犬や猫の形を模した子供向けのグミ。
風味も味付けも全く意味を成さない甘みの塊は、しかし彼女のお気に入りのお菓子だった。
味が好きだったわけじゃない。ただ、外見がとても可愛らしかったから、よく母親にねだっていたのだ。
郷愁が甘い味となって舌に蘇る。それが少しばかり胸の奥を突いた。
 暫く店内を漁った後、「使えそうな物は何も無い」という事実だけが成果として残った。
溜息は誰の耳にも届かず、埃と共に霧散する。
失望を隠せない足を引きずり、ソフィアは入り口へ引き返した。
「……?」
ふ、と辺りの色が変わった事に気が付く。
暗い。そうとしか表現出来ないが、とにかく周りが暗い。
店内に入る前は昼間であったし、何時間も捜索していない。
日が陰るほど雲は出ていなかったと記憶しているが…と
ソフィアは窓へ目をやった。
その瞬間、体中の毛穴から汗が噴出し、胃液が逆流しそうになった。
窓は手入れがされていない為、ぼんやりと濁っていた。
それでも、その反対側に「何か」がべっとりと張り付いていれば、否が応でも分かる。
ゾンビだ。
それも一体や二体じゃない。無数のゾンビが、店内を覗き込むようにして、泥を煮詰めたような淀んだ目玉を此方に向ける。
隠れるスペースは無い。
そもそも、相手にはっきりと見られているのだ。
狭い店内のどこに身を潜めようが、確実に引きずりだされる。
「ガァアアアッ!」
獣のような咆哮が鼓膜を響かせる。
開いたままのドアから、割れた窓から、ゾンビ達は我先にとソフィアへ腕や足や顔を伸ばす。
黒ずんだ爪が彼女の腕を掴み損ねて皮膚を裂き、肉が腐り落ちた足が、彼女の横腹を薙ぐ。
そのどれもが致命傷には至らずとも、確実にダメージとして残った。
「………っ!」
痛みを堪えながら、ゾンビの足元を通り抜ける。
つくづく小柄で良かった、と今ほど思った事は無い。
ぐるぐると転がりながら幾人かのゾンビの合間を潜り抜けた。
一体のゾンビの腕を掻い潜って、痛む足に最後の鞭を打つ。
 幸いにして足の速い者は居らず、程なくして、腐った臭いが途切れた事に気がついた。
ふぅ、とソフィアは短い息を吐いた。

(もしこの先、もっと安全な場所に着いたら…―――)

その時はお腹一杯のグミキャンディを食べよう。
頭痛がするほど甘く、胃持たれするほど愛しいあの味が、今は何故だか無性に欲しかった。


to be coutinued...?

| SS | 08:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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