獣☆ぷろじぇくと!

人外+女の子のイラスト、漫画が多め。【おそ松さん・電凹・サンレッド・まりんとメラン】等

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ゾンビサバイバル(2日目)

診断メーカー「ゾンビサバイバル! あなたは何日生き残れるか!?」のロールプレイ小説です。
最初に診断結果、その下に小説が出てくる形式になってます。
(Twitterに掲載したものに若干手直しを加えてます)


今日のソフィア:【戦闘】君の行く手を阻むゾンビの大集団! 
その動きはまるで何者かに統制されているかのようだ! 
8(「クリアフラグ」を持っているなら12)のダメージ! 
食糧:-1
→火炎瓶使用して脱出。
2日目 HP:100 食料:96 持ち物:なし


小説は↓から。


(二日目)

「ヴァス、ディー、モーデ…シュトゥレンク、ゲタイル…」
繰り返し繰り返し、彼女は一節のフレーズを歌い続ける。
その先の部分がどうしても思い出せない。
音楽の授業で出された課題曲であり、発表会でも歌う予定だった。
力強く壮大なメロディの筈だったが、自分の唇から出てくるのは悲痛な鎮魂歌だった。
うろ覚えの歌に乗せて、右手に握った紐を、カウボーイさながら振り回す。
白旗のようにたなびく紐を手に取ったのは、つい先刻。
廃墟よりも瓦礫といった表現がふさわしい、荒れ果てた場所に着いた時だ。
武器はおろか食料すら見当たらなかったが、ソフィアは廃材に引っかかったそれを戦利品の代わりとした。
鞄の肩掛け部分か、コートの腰紐か。1m程度の長さでやや幅広の、しなやかな革紐だった。
勿論、これを武器にしよう等とは思っていない。
鞭のように当てたところで殺傷力は低いし―そもそも鞭は拷問用だ―、
そんな技術を彼女は持ち合わせて居ない。
「………モーデ…シュトゥレンク、ゲタイル…」
 ソフィアは運動も勉強も大嫌いだった。
Molotov Cocktailの作り方を知っていても、元素記号を諳んじられない。
ブービートラップを仕掛けられても、課題曲一つ満足に歌えない。
彼女の知識は全て本から得られたものであり、学業とは程遠い、偏ったものだった。
自分の勉強不足を嘆いてはいたが、今更発表会が開かれるなんて思ってもいない。
ただ、かつての日常を繰り返す事が、とても大切なように思えたのだ。
「…ヴァス、ディー、モーデ…シュトゥレンク……」
再び課題曲を口にした時。
ずり、と耳障りな足音が歌の切れ間から聞こえた。
軽く息を呑むと、瓦礫の間から黒い塊が這い出してくる。
確認せずとも、それがゾンビの足音だと用意に分かる。今までにも何十、何百体と見てきたのだから、間違いようもない。
恐らくこの辺りは郊外の住宅地なのであろう。そういった場所には、往々にしてゾンビが溜まっている。
肉眼でもはっきり確認出来る距離にまで近づいたゾンビは、固まり、離れ、しかし何らかの意図を持って、
ソフィアの進行方向へと寄り添いつつあった。
(………意図? ゾンビ達に何かの…意図が…?)
そこに一抹の疑念が浮かんだが、頭を振って思い直す。
ゾンビとの距離はまだ十分にある。しかし引き返す為に背を向けるのはとても危険な賭けだ。
 ソフィアはバックパックから火炎瓶を引き抜いた。
16そこそこの少女が、ガソリンの詰まったビンを遠くまで投擲出来るような
筋力を備えている筈も無く。しかし足元に投げては逃げ出す暇も無い。
「さっそく試してみようかしら」
 そこで、彼女は少しばかり「先人の知恵」を拝借するにした。
右手にぶら下げていた革の片端を小指と薬指で挟み、反対側を残りの指でぎゅっと押さえる。
火炎瓶を革の中央に置くと、そのまま遠心力によって振り回した。
やはりその重みで体ごと振り回されそうになるのを何とか踏み止まりながら、
視線だけは動かさずに、十分な速度になるまで回し続ける。
「昔読んだ本に出てきたの。とても古典的な、それでいて単純な武器よ」
投弾帯、と呼ばれるそれは、スリングショットやパチンコよりも遥か昔にあった物だ。
長い紐のみを使用し、石を飛ばして攻撃する。
威力は大して無いが今回の場合は敵に当てるのではないから、さほど問題ではない。
「―――……っ!」
腕の力を抜いた瞬間。弧を描いて火炎瓶は飛んでいった。
本来ならば小指側の力を残しておいて、投弾帯だけは手元に留めておかねばならない。
しかし革紐もろとも、火炎瓶はゾンビの中央へと吸い込まれ、目にも鮮やかな光を放った。
「…やっぱり練習しなきゃダメね」
赤い悪魔の腕は、みるみるうちにゾンビ達を飲み込んでいく。
ぽっかりとした空洞が目の前に開けたのを確認すると、躊躇いもなく踏み込んだ。
通り抜けざまに、蛋白質の焼ける独特の甘い匂いが鼻につく。
その匂いは吐き気を伴って胸まで焼いていくようだった。
ぐちゃり、ぐちゃり、と踏みつけた柔らかい「何か」が、元は「何であったか」を
頭から追い払うように、瓦礫とゾンビの隙間を力の限り走った。

 あぁ、そうだ。思い出した。歌の続きはこうだ。

「…alle Menschen werden Brüder, Wo dein sanfter.Flügel weilt.
(あなたの柔らかい翼が留まる場所で、全ての人は兄弟となる)」

アレを兄弟と呼べるような場所があるなら、それはきっと地獄に違いない。


to be coutinued...?

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